やったこと
年末年始のばたばたが一段落して、2月は妙に活動的になる。今月は「原神 Symphony」パシフィコ横浜公演に出掛けて生音のゲーム音楽を楽しんだり、カニ食べるためだけに鳥取県まで行ってきた。旅程はなにも考えてなかったので鳥取までいったのに砂丘は見てないし、代わりと言っては何だけど島根県で出雲大社に参拝してきた。これで年末から楽しみにしてたことがだいたいなくなったので、生きる気力が失われつつある。
問題はその翌日で、「どうせ鳥取来てもやることないだろ…」っていうのもあって島根まで足を伸ばした。鳥取には砂場などがあるが、島根には出雲大社があるため。ちなみに今回もhekutolさんの運転にすべてをお任せしてしまい、五体投地感謝となりました。勝手に歩きながら飲んだり、さらに行きも帰りも後部座席で爆睡するなどの狼藉を働いた人間を許せない。本当にありがとうございました。
発案・企画がかなりいきあたりばったりだったとは言え、目的ははっきりしてたから達成感があった。人数も過去最大、初対面同士の組み合わせもあったのにうまくいってよかったな~と思う*1。楽しかった。
楽しんだもの
12月末に買って読み始めた中国発宇宙SFの金字塔、『三体』を「三体」「三体Ⅱ 黒暗森林(上)」「三体Ⅱ 黒暗森林(下)」「三体Ⅲ 死神永生(上)」「三体Ⅲ 死神永生(下)」まで読み切った*2。オバマ前大統領とかも言及したりしてる世界中でアルティメット大好評を博した超大作。ハードカバーだから読めないなーと思って文庫化をぼけっと待ってたけど、ふとKindle Paperwhiteを買ったときにちょうどいいやと思って去年末からほそぼそと読んでた。もう読む前には戻れないなと思えるほど強力な宇宙SFタイトルで、自分が持ってる現世の宇宙観みたいなのにも強く影響してくるハイパー文学作品だった。
やっぱり個人的にインパクト大だったのは、「宇宙には地球人がいるんだし他にもなんかいるはず。でも地球はまだ地球外生命体と遭遇したことがないのはなんで?」っていう“フェルミのパラドックス”に対して、『三体Ⅱ 黒暗森林』が明確な仮説をブチ上げたことだと思う。仮説自体は割と元も子もないといえばそうなんだけど、作中これに従って進行するお話の説得力がすごくて、実際そうなんじゃねという気がしてくる。しかもこれ読めばもう『三体』終わりでいいだろ、やばすぎ作品だよとなったところに『三体Ⅲ 死神永生』が続いてきて、最終章を駆け抜けると完全にやばすぎ作品であることがわかる。
内容とは直接関係ないけど、本編の中では宇宙艦隊の撃滅シーンがかなり好きだった。超大げさな名前がついた宇宙戦艦の艦名がウオオオオオオオオって列挙されていくところの迫力がすごい。人類文明を代表するパワーワードとでもいうべきか、カテゴリとか文脈もバラバラで嬉しい。
逆にあんまりだな~と思ったのは、羅輯の奥さんと娘が結局どうなったかよくわからなかったところ*3。あと程心がウェイドを妨害する形で曲率推進エンジンの開発が数十年間に合わなかったけど*4、あれって葉文潔が提示していた「技術爆発」要素と最終的に相反してる気がしたのがちょっと気にかかった。やっぱ“愛”の方が宇宙社会学の公理より強力に働くっていう表現なのかな。
『三体』読み切れたから他にもちらほら手が出せるようになって、長谷敏司先生が10年ぶりに長編として刊行した『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』も読んだ。長谷敏司先生はAIが今みたいになってくる前からAIを作品の中で表現してきた作家で、僕のAI観は今も『BEATLESS』に出てきたものが基礎にある。AIで小説創作! みたいな流行りのテーマも『あなたのための物語』で扱われてるので、今こそ読まれてほしいと思っています。
買ったもの
GENELECのアクティブスピーカー「G Two」を買った。プロ用モニタースピーカー「8020D」の民生版で、何が違うかといえばカラバリのラインナップが違う(それ以外も全然違う)。前に愛用してたAudioengineの「A2+」も赤だったし*5、赤にした。電源タップとかスタンドとかRCAケーブルとか揃えるのにお金がかかってしょうがない。音はとてもよくてうれしいけど、8020DはXLRのバランス入力なのが羨ましい。
おわりに
今年がうるう年でよかった~、2月29日掲載です*6。