この記事は、質先生(@_0_zero)が主催されているアドベントカレンダー「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2023」における22日目のものです。
今年ベストバイは「GENELEC G Two」
表題の通り、自分の2023年ベストバイはアクティブスピーカー「GENELEC G Two」に決めました。
年始急に欲しくなって購入し、今年いっぱい気持ちよく使えています。スピーカーは以前「Audioengine A2+」を愛用しており、今回の買い替えにあたって次の製品に要求していた仕様は下記の通りです。
- アンプを内蔵したアクティブ式であること
- 大きすぎないこと
- よい音であること
- 予算(ペア5~15万円くらい)に収まっていること
買うときはあれこれ考えてたけど挙げてみると案外何もないな。しかし“このアンプを内蔵するアクティブスピーカー”というのは市場を見渡してもまともなものはあまりなく、候補になる製品は意外と少ないです。
欲しいな~と漠然と考えていたのはG Twoのほか、同GENELECの「8020D」、クリプトン「KS-55Hyper」、IK MultimediaのiLoudシリーズ、あとELAC「Debut ConneX DCB41」くらいしかありませんでした。アクティブといえばKEFとかも視野に入りますが、ちょっとデカいし高価なのでノミネートならず。
ちなみにそれぞれ、8020Dは似たような仕様だけどG Twoより高かったのでナシ、IK Multimediaは安すぎ・高すぎでなんとなく気に入らず、DCB41はELACならさすがにパッシブを買うべき、KS-55Hyperはいつまで経っても売り切れていて買えなかったので諦めました*1。
なお、それまで愛用していたAudioengine A2+は13日目の執筆を担当されているSyobon氏(@Syobon_0xff)へともらわれていったので、穏やかな余生を過ごしているはずです。
GENELEC G Twoで憧れのGENELEC製品を楽しむ
GENELECは言わずと知れたプロフェッショナル向けのモニタースピーカーの大家。スピーカーユニットに最適化したアンプを内蔵して高性能であることをアピールしており、アクティブ好きの自分としては憧れのブランドです。ちなみにパッシブスピーカーがそもそもの選択肢にないのは、アンプ遊びをする余裕が経済的にもスペース的にもない……のもありますが、デスクトップ用だからというのが大きいです*2。
今回選んだG Twoは、G One、G Two、G Three、G Four、G Fiveとあるうち下から2番目のモデル。上述したプロ向け「8020D」の民生向けにあたる位置づけで、コロナ禍をチャンスと見た同社がスポット的に展開したモデルらしいです。プロ向けは黒塗りしかありませんが、なぜか民生向けの中でもG Twoだけに赤青緑の鮮やかなカラバリが用意されています。どれも限定生産だった模様。
GENELECのスピーカーなんかお堅い人しか買わないためにどの色も売れ残っていて、サウンドハウスで値下げされているのを見て買うのを決めました。こういうお得感は満足感に直結するので何気に重要。とはいえ真っ赤な“シグナル・レッド”を購入したのは別に値段のためだけというわけでもなく、前のA2+が赤かったことをうけてなんとなく継承した意味合いもありました。
メインユニットは4インチ、ツイーターは3/4インチで、バスレフポートはリアにあります。本体はMDFのような木材ではなく、肉厚のアルミが採用されているところもポイント。しっかり支持できる専用の「Iso-Pod スタンド」が付属しており、別途インシュレーターがどうとか考える必要もありません。
このG Twoはアンプ内蔵のアクティブスピーカーですが、ボリュームを搭載していません。要は単体では音量を調節できないので、可変ラインアウト(プリアウト)を搭載したDACから入力する必要があります。オーディオインタフェース側で音量を調節できるなら、スピーカー側のボリュームは不要だろうというプロ向け思想。いちいちスピーカーに手を伸ばさなくてよく、左右で音量を統一できるので民生利用でも普通に便利です*3。
機能面も充実しており、なかでも便利なのは音声入力を検出して電源を自動でオンオフできるところ。本体背面にDIPスイッチを備え、低音の量感を調節したり、フロントの電源LEDを消灯したり、設置環境に応じたモード変更も可能です。これは「Tabletop Mode」スイッチをオンオフすることで設定でき、端的に言うとオンだとやや迫力増し、オフだとニュートラルになるというもの。内蔵アッテネーターで入力感度を減衰させ、ご家庭で使いやすい音量に調節することもできます。
ちなみにプロ向けの8020Dとは割と仕様が異なっており、まずDIPスイッチの設定項目にボリューム抑制のアッテネーターが存在しません。あと8020Dの音声入力端子にはRCAではなくXLRが採用されており、バランス入力に対応しています。
今になってみればアンバランスしかないRCA入力の民生機を買ったのはどうだったんだろうなあという気が若干しないでもないですが、機能面ではG Twoのほうが優れていて後悔しているわけでもない微妙なところ*4。製品のフォームファクタ自体は共通なので、音自体はほとんど変わらないらしいしいいだろうという気持ちです。
音がいい。激強DACが欲しくなって……
文字で音質について言及する意味があるのか不明ですが、G Twoの音質はだいぶ最高です。GENELECといえば低音が強めな印象がありましたが、いざ使ってみるとそうでもないなという印象。量感たっぷりに出せる一方で分離感がすごく、ほかの帯域に被らないので聞こえやすさが格段に違います。低音量で使っても迫力が小さくならず、音量を選ばないところもすごい便利。
ちなみに上流はMOTU M2とFX-AUDIO- FX-00Jを使っていま……した。初稿書いたときはMOTU M2だったんですが、読み返して推敲してるうちにだんだんRME「ADI-2 DAC FS」が欲しくなってきてしまって……。
MOTU M2のESS Technology Sabre32 Ultra DAC*5でESS製DACの素性の良さを気に入ったので、ES9028Q2Mを搭載していたのが決め手です*6。K9 Pro ESSもいいかなと思いましたが、Fiio製品に出す金額としては若干ふさわしくないような気がしてコンペ落ち(怒らないで!)。音がMade in GermanyのDACから入り、Made in Finlandのスピーカーから出ていてにっこりしています。
おわりに
というわけで2023年のベストバイはアクティブスピーカー「GENELEC G Two」でした。今年の「ベストバイガジェット Advent Calendar 2023」には僕と同じく、Audioengine A2+から新スピーカーを購入した方が15日目にいらっしゃるので、こちらも必見です。
去年はNASとかいうつまんない実用品だったので、今度は趣味性の高いもので選出してみました。他、ベストバイにならなかった今年の各位短評です。
- WF-1000XM5:普通だった
- iPhone 15 Pro:同上。あとレビュー欲をもう発散した
- iPad Air(5th):けちったところ容量不足がつらい
- Biostar B760A-Silver:縁の下で莫大な力を発揮してるが魅力を伝えきれる自信がない
- RME ADI-2 DAC FS:さっき買ったばかりでよくわかってない
- 各種ゲーム:コンテンツ課金はレギュレーション違反の疑いあり
毎月日記ブログを書いています*7。この機会にぜひX(旧Twitter)のほうもなにとぞよろしくお願いいたします。
気さくな人物。ゲームが好き
— um R WR (@umm_uum) December 11, 2022